ニュースを読みたいだけなのに、なぜ私は「ウォーリーを探せ」を強制されるのか【スマホ広告の闇とダークパターン】

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広告の×ボタンを探せ! ネットのはなし

スマホでニュース記事を開くたびに現れる全画面のオーバーレイ広告。閉じるための「×ボタン」が見つからない、小さすぎる、遅れて出てくる…。 もはや「ウォーリーを探せ」と化した現代のWeb広告の理不尽さと、ユーザーを惑わす「ダークパターン」について、私たちはもっと怒ってもいいはずです。

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平穏な朝を壊す「仁義なき戦い」

朝のコーヒーを片手に、日課のサイト巡回。 気になる見出しを見つけ、「お、これは面白そうだ」とタップする。

ここまでは最高だ。至福の時間だ。 しかし、その直後、私の視界は無慈悲に遮断される。

画面全体を覆い尽くす、巨大なオーバーレイ広告の出現である。

いや、広告が出るのは百歩譲っていい。メディアも収益が必要だし、無料で情報を提供するための大人の事情として理解している。 私が許せないのは、「記事を読ませる気があるのか?」と問い詰めたくなるほど、「閉じる(×)ボタン」が見当たらないことだ。

右を見ても、左を見ても、ない。 数秒間画面を凝視し、ようやく背景色と同化した極小の「×」を見つけ出し、指の震えを抑えながらタップする。

…これ、何の時間? 私はニュースを読みに来たのであって、難易度設定を間違えた「ウォーリーを探せ」をやらされたいわけじゃないのだ。

スマホでニュース記事を開くたびに現れる全画面のオーバーレイ広告。閉じるための「×ボタン」が見つからない、小さすぎる、遅れて出てくる…。 もはや「間違い探しゲーム」と化した現代のWeb広告の理不尽さと、ユーザーを惑わす「ダークパターン」について、私たちはもっと怒ってもいいはずです。

遭遇率高すぎ! 広告バナー界の「イライラ御三家」

もはや一種の「ダークパターン(ユーザーを騙して意図しない行動へ誘導するUI)」と言っても過言ではない、凶悪な広告バナーたち。 私が遭遇した、特にストレスフルな「敵キャラ」たちを分類してみた。皆さんも心当たりがあるはずだ。

1. 保護色カメレオン型

背景が白なのに、×ボタンを「限りなく白に近いグレー」で描画するタイプ。 もはや視力検査である。スマホの輝度を最大にしないと見えないレベルのステルス迷彩を施している。誤タップ狙いが露骨すぎて、見つけた時の徒労感が半端ない。

2. 時間差トリック型

ページを開いた瞬間は×ボタンが存在しない。 「あれ? バグかな?」とユーザーが画面をスクロールしたり、タップしようとしたりした「3秒後」くらいに、ひっそりと出現する。 焦ってタップしたユーザーを広告リンク先へ強制連行するための、卑劣な時間差攻撃だ。

3. 極小ミクロ型

「その判定範囲、スタイラスペンでも無理だろ」という極小サイズ。 指の腹で押そうものなら、高確率で広告本体の判定に吸われる。このタイプに遭遇した時、私は自分の親指の太さを恨むことになる。

[実録編] 私が出会った「広告の迷宮」コレクション

「大げさなことを言っている」と思われるかもしれない。 だが、百聞は一見に如かず。私がスマホを握りしめながら遭遇し、思わずスクリーンショットを撮ってしまった「迷宮」の実例を見ていただきたい。

これらは全て、現代のWebで現実に起きている「仁義なき戦い」の記録である。

1. 「利き手」をあざ笑う、自由すぎる配置

まず我々を苦しめるのが、「×ボタンの位置がランダムすぎる問題」だ。 統一規格という概念は、Web広告界には存在しないらしい。ページを開くたびに「今回はどこだ!?」と視線を走らせる、動体視力のテストが始まる。

右手持ちの天敵「左上」

多くの右利きユーザー(右手片手持ち)を絶望させるのがこの配置。 最近の大型化したスマホで、右下から左上まで親指を伸ばすのは、もはや「指のヨガ」である。誤タップを誘っているとしか思えない。

誰のための配置?「左下」

一見優しそうに見えるが、右手持ちの場合、親指を内側に大きく折りたたむ必要があるため、実はかなり押しにくい。左利きユーザーへの配慮なのか、単に「空いていたから」置いただけなのか、意図が読めない。

枠外への逃亡「右下」

これは珍しいパターン。広告画像の「中」ではなく、その下の白い余白(枠外)に×ボタンが配置されている。 位置としては右下なので押しやすい…はずなのだが、「広告の枠外にボタンがある」という予想外のデザインのせいで、脳が認識するのに一瞬ラグが発生する。「え、そこ?」と突っ込みたくなる配置だ。

規格外の「耳」

もはや四角い枠の中に収まる気すらない。左上にポコっと飛び出した「耳」のような×ボタン。 初見ではデザインの一部かと思い、スルーしてしまうこと請け合いだ。

もはや「罠」? 悪意を感じるダークパターン

配置の問題はまだ可愛いものかもしれない。 中には、明らかにユーザーの誤認を誘う、悪質な「トラップ」が仕掛けられているケースもある。

究極のステルス迷彩「保護色」

明らかに存在を示そうとしていないボタン。実は、見つけた時には、ちょっとした達成感もあったりする・・。

二択「強要ダイアログ」

記事を読もうとすると現れる、この巨大な壁。 「動画を見る(クリック)」か、「アンケートに答える」か。 ユーザーは「どちらかを選ばないと記事が読めない」と強要される。

こちらをクリックに進むと・・・

「2行後に報酬を獲得できます」とあるが、これは出版社に渡る広告掲載の報酬ではないのか?それとも、読者への記事が報酬なのか?

カウントダウンが終わると「×」ボタンに代わるが、せっかちな人は最下部の「開く」をタップしてしまいそうである。

試される「解読能力」

中央の広告付近に閉じるボタンが見つからない・・・。ふと右下を見ると「×」印が・・・でも、さらによく目を凝らすと、さらに「close」ボタンが・・。どっちが正解なのか、どちらもトラップなのか?

誤クリックで稼いだPVに価値はあるのか?

これらの広告は明らかに「UX(ユーザー体験)」の自殺行為だ。

「誤クリック」だろうがなんだろうが、一度タップさせれば広告主への数字上の成果にはなるのかもしれない。しかし、騙し討ちのように飛ばされた先の商品を、ユーザーは買いたいと思うだろうか? むしろ「このウザい広告を出している企業」として、ネガティブな刷り込みが行われるだけではないのか。

「記事を読む」という本来の目的を邪魔され、ミニゲームを強要されたユーザーは、そのメディアから離れていくのではないだろうか。 直帰率は上がり、滞在時間は減り、結果としてメディアの価値そのものを下げていることに、そろそろ気づいてほしい。

広告の表示自体は構わないが、ストレスなく先に進める広告にしてほしい物だ。前面バナー広告でも、「×」「閉じる」ボタンの存在が明白で、画面全体を覆わないものが望ましい。

この広告はストレスの少ない一例である。

また、中央の広告枠以外のグレーアウトしている部分をタップする事でも、閉じる事ができるので、右手持ち、左手持ち問わず閉じやすい構造になっている。(ただ、それに気づく事が難しい。)


ダークパターンに関する書籍

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